相手に心変わりしてもらう9つのテクニックを知ることはとても大切です。なぜなら、相手はマインドコントロールされていると気づくと自分の気持ちや決めていることを変えないものです。そこで今回は勝手に考え方を変えてくれる方法をお教えします。頑固な人から仕事の交渉、目上の人、プライベートでの頼み事など色んな場面で使えます。
◆相手の心を変えるための9つのテクニック
1. 無知のモデル化
2. 単語のすりあわせ
3. 調整された質問
4. 道徳的一致
5. ネット上の議論
6. 影響フォーカス
7. 認識論的質問
8. ラーニングフレーム
9. 13個の「べからず」
1.無知のモデル化
相手の考え方を改めて説明してもらう。
例えば「よくわからないのでこの部分を詳しく教えてもらえませんか?」
とわからないフリをして説明してもらう。
説明させればさせるほど自分の中でわかっていないことや矛盾に気づき強い意見がいいにくくなり相手の態度を軟化させられます。
これは自分で自分を疑わせるテクニックです。
相手に話をさせることで、相手の弱点をさぐることができる。
相手は誰かに強要された感覚をもたずに自分で自分の考えに疑いを持ちやすい。
◆実践ポイント
①素直に「わからない」と言う。謙虚さと素直さのアピールになる。
②はぐらかされたら同じ質問を自分にしてもらう。相手に「私にも同じ質問をしてください」と頼む。その質問にYes/Noで簡潔に返答する。その後相手に再度「あなたはどう思いますか?」と質問する。
③自分の無知を認めてから質問する。まずは自分に十分な知識がないことを認める。そうすると愛tも「自分は意外とわかっていない」と認めやすくなる
④無知のモデル化を体験しておく。具体的には日常で触れているモノの「仕組み」をネットで調べて詳しく他人に説明するトレーニングをしてみる。
2.単語のすりあわせ
激論になる場合は「言葉の定義」が間違っているだけのケースが多い。
◆建設的な議論をするための事前準備
①言葉の定義をする。
言葉の定義を相手に確認する。
文脈で言葉や定義が変わっていないか確認する。
②その定義に同意する
③反論しない
相手の定義を受け入れた上で会話を続ける。
相手の定義を否定しない。
受け入れられない場合は別の話題に会話を移す
3.調整された質問
FBIの人質交渉で使われる考え方で、相手に自分の主張をじっくりと考えさせる方向に誘導するための質問です。これを使うとややこしい人とも不通に会話できるようになります。
◆4つのポイント
①オープンエンドクエスチョン
Yes/NoクエスチョンではなくHOW(どのような)/What(なにが)を使った質問をすること。オープンエンドクエスチョンは相手に思考をうながすことにつながります。
②話題の明確化
会話のトピックを質問形式で確認し、話題を明確にしておくこと。
例えば、念のためここでのトピックは〇〇ですよね?と質問する。
③脱線したら戻すか、再確認
会話が脱線したら元の質問に戻すこと。例えば、「話がそれたので〇〇の話に戻しませんか?」と質問する。
④主張を質問にしない
自分の主張を質問の形でしてしまうと、相手に誘導尋問をしていると思われてしまうのでやらないこと。
4.道徳的一致
相手の心を変えるには情熱や気遣いは役に立たない。道徳的な考えが相手と一致しているとアピールすること。
◆4つのポイント
①道徳的にな一致を探る
互いに意見が全く異なる話題について語るときに道徳的に一致する部分を再確認していく。これを会話の最初にまず確認すること。
②自分の極端さは認める
自分の極端な部分は素直に認めることによって、相手も極端さをさらけだしやすくなる。
③相手の極端は非難しない
相手を非難した時点で攻撃される可能性が高まるので非難しないこと。
④共通の敵を作る
外部に共通の敵を作ることによって相手との仲を深めることができる。
5.ネット上の議論
ネット上での議論は禁止。人間は対面で会話をするように進化してきたため、ネットでの議論はハードモードになりやすい。
◆3つのポイント
①ツイッターでは議論しない
②SNSはDMが基本
SNSで誰かに絡まれても返事をしてはいけない。もし返事をしたい場合はDMで丁寧な態度で尋ねること。
③SNSでは3Sを避ける
3S=宗教、政治、思想の話題は避ける
6.影響フォーカス
非難すればするほど相手は意固地になり問題に向き合わなくなる。非難せずに相手と協力して事態への影響度を探す。
◆4つのポイント
①影響に関する質問の多用
「影響」を使った質問をすると相手を責めることなく建設的な会話ができる。例えば「どのような要因が〇〇に影響したのでしょうか?」「あなたが何が影響したと思われますか?」と聞く。
②因果の質問の禁止
「何が原因か」などの因果関係の質問はNG。どこに原因があるかなんて証明するのは難しいし質問する必要はない。
③お互いさまの禁止
意見を批判されても「そうですね。そういうこともあります。」と認めつつ再び影響の話に戻す。
④気持ちは素直に言う
相手を非難したくなった時は正直に述べる。例えば「正直、この問題についてあなたを非難したい気持ちがあります。」と言ってしまう。
7.認識論的質問
プロセスに焦点を当てた質問のこと。結論にフォーカスすると相手の態度は軟化してしまうので、相手がどのようにしてその結論に至ったのかの質問を繰り返すこと。例えば「なぜその考えに至ったんですか?どのようなことがあったんですか?」と質問を繰り返していく。
相手を説得する場合にも使える。以下どのパターンかを考えながら相手の話を聞き、相手のパターンを把握しその後の質問を変えていく。
◆ポイント:6つの人の信念形成パターン
①個人的な経験や感情
心の中で真実だと感じられる
②文化(常識)
みんなが信じているから真実だと考えられる
自分の意思がない人はこのパターンが多い
③定義
定義されているからこそそれが真実であり良いもの、「これは決まりだから」と考えてしまうパターン
④宗教
自分が信仰している場所や聖典で教えられているから真実であると考えるパターン
⑤理性
理屈が通じるから真実である
⑥証拠
信じるに足る十分な証拠があるからそれは真実である
◆認識論的質問の5つのルール
①まず肯定から入る
簡潔に肯定的な発言をする。例えば「なるほど、面白いですね。それはどういう仕組みなんですか?」と質問する。
「説明してください」「教えてください」はNG。
②アウトサイダークエスチョン
第三者の視点から考えさせる質問のこと。自分の信念を部外者の視点から見させられ、相手の考え方を変えられる効果が高い。例えば「他の人ならどう考えると思いますか?」と相手に問いかける。
③セルフ認識論的質問
会話の前に自分にも認識論的質問を行う。
例えば、
相手がどうやってこの結論に至ったのか?
推論のプロセスは?
自分以外の誰かが特定の考え方が良いと思う理由は?
その対象について無関係な第三者はどう思うだろうか?
その人の信念はその人だけの理由によって支えられているのか?
④他の例を引き合いに出す
相手の話の論理が明らかに通っていない時は大チャンス。結論までの経緯が間違っている場合が多いので、そのプロセスを使える他の例があるか?と質問する。こうすると相手に論理の矛盾点を気づかせられる。
⑤相手の推論で違う結論を出す
相手と同じ論理展開で結論だけを変えること。
8.ラーニングフレーム
「この対話は学習のために行われているのだ」というマインドセット。学ぶ姿勢は相手の心を開かせる効果があります。一番効くのは「自分は絶対だ」と主張する相手に効果的です。
◆ポイント
①プロセスについて聞く
自分と意見が違う人に使ってみる。例えば「どうやってその知識を得たのですか?どうやってその結論にたどり着いたんですか?」と質問してみる。
②プロセスを学びたいという姿勢を示す
学習の姿勢を明確かつストレートに相手に伝える。結論に至ったプロセスを学ぶ。これは女性と話すときや人脈を作りたいときに効果的です。
9.13個の「べからず」
相手の態度を硬化させてしまう行動集。以下はやってはいけません。
①怒りをあらわにする
②意図的に無礼な態度をとる
③誰かをあざ笑ったり非難したりする
④理解する前に相手の立場を攻撃する
⑤会話相手の主張を聞こうとしない
⑥理解できないと言った人をバカだと非難する
⑦間違いを犯した人を罰する
⑧知らないことをしっているふりをする
⑨認識論ではなく、相手の信念そのものに焦点を当てて議論する
⑩説得力ある証拠を提示されても考えを変えない
⑪相手の文法ミスや言い間違いを正す
⑫否定的で不平を言う
⑬自慢話をする
以上、相手の心を変えるための9つのテクニックでした。まずは9つのどれかだけでも意識して少しづつトレーニングしてみましょう。
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